シシウドは苦いのか?自分の舌で確かめる
食べたことがない食材はぜんぶ食べてみたい!
ということでやっている私の活動、今回はシシウド。
図鑑やネットでしか見たことがなかった食材なのですが、たまたま出会うことができました。
感想どこの記事でも「苦い。」というもので統一されています。
さてどれほど苦いのか?実際に食べて確かめてやろうではないですか。
ウドじゃない?シシウド?
とある春。
桜の散るころ、ちょこっと遠出して友人らと食料採取にいったときの話。
ターゲットは春キノコだったんですがまったくとれず、ワラビとったりしてました。
そこで出会ったのがこの…
もふっ!
と生えてる草。
周りの雑草よりひときわ背丈があってよく目立つのです。
野生のウドか?と思って近づいたんですが、よく見ると違いますね!茎に毛もなければ、葉っぱの付き方も違う。
特徴は節目の紫っぽさ?
新芽が出てる個体もいました。うまそうですが誰だこれは!?
友人らと何だ?何だ?と図鑑やらネットで探してみると…
シシウドなのでは?
という話に。
シシウドというのは、ウドとやや似た。でもウドの仲間ではなくセリの仲間な植物。(なんでそんな名前にしたんですかね、昔の分類学の都合?)
とはいえ情報や知識が不足していて断定できない…
そんなわけでTwitterで #オラ草がしりてぇ と教えを請うたところ、ありがたいことに悟空さんが教えてくれましたよ!
シシウド属まではいいそうです。
ところがシシウド属ってけっこういるみたいなんですよ。種類が多くて「紫の節」と「先端の葉っぱに切れ込み」だけでは絞り込み切れないっぽい。
伊豆七島で食べられてるアシタバとか、山菜で有名なアマニュウもこの仲間らしい。はーこれは全部ちゃんと知らないと区別できないやつですね。
正直なところ具体的な種名までは判別できないのですが、いわゆるシシウドであることは確か。紛らわしい毒草はいないっぽいし、せっかくなので味見しちゃいましょう!
というわけで
採取~~~~!
シシウド、ゲット!!
そのあと秋。
同じ場所のシシウドを見に行ってみたところ、
悟空さんの仰るとおり、2メートル大に成長していて大きな花のあとが残っていました。
あと、秋なのに新芽がでてましたよ、
そういうものなんですかね?異常気象のせい?
年二回採取できるとしたらとてもエライ。サバイバルのお供にどうだろう?
シシウドを揚げてみる
さて、持ち帰ってきたシシウド、どうやって食べてみましょうか?
図鑑によると苦みがあるとのこと、
んでは、苦味と相性のいい揚げ物でいってみますか!
ということでまずは天ぷらでいっときましょう。
天ぷらタネを作ったら、
食べごろっぽいの新芽チョイスし、からめていきます。
たっぷり天ぷら粉をからめたら、
じゅわわわわ~~~~~っと揚げていきましょう。
カリッカリになるまでジックリ揚げていきます。
揚がったものがこちら、
いい出来なのではないでしょうか?
シシウドの天ぷら、
完成ですよ。
山菜料理としては定番ですが、さてどうでしょう?
さっそく味見、パラリと塩をふりまして…
いただきます!
ジャクッ…
あっ、
うまい…?
いや、苦い。
かぶりつくとタラの芽に似た爽やかな香りがいっぱいに広がるのですが…
遅れてジワジワやってくる苦味。ほほをしかめるくらいには苦い。
とはいえタラ(あれもやや苦い)の親戚といえば、そうなのかな?と思うくらいの苦味です。
個人的にはアリ。
マズイという話も聞きますがあれはウドだと思って食べるからだと思うんです。
こういうものだと思えば美味しく食べられる系かな。
シシウドを茹でてみる
続いてシンプルに茹でたものも食べてみます。
苦味よでていけ~~~!
と念じつつ、いつもより念入りに茹でます。
茹でたあとの茹で汁がめっちゃ緑色、やったか!?
茹で上がったものは柔らかな食感でそのまま食べられそう。
これは細切りにしてそのまま食べることにします。
シシウドをきんぴらにする
もう一品、太い茎をきんぴらにしてみます。
油はゴマ油、苦味ぶっとばしてくれそうですし。ゴマ油もふっとこう。
じっくり炒めるとしんなりしてゴボウみたいになりました。
てなわけで完成、
シシウド三点盛り、
さっそくいただきます!
①茹でシシウドのタルタル添え
まずは茹でただけのこちら、
苦いか?
どうでしょう?
もしゃもしゃ…
食感はオーケー、ちょっとゴワつくけど歯切れのよい山菜らしい感覚。
苦味は…意外とそれほどでもないですね?
茹でて汁に抜けたか、タルタルと合わせたのがよかったか。美味しいですよ。
②きんぴらシシウド
続いて、濃いめの味付けにしたきんぴら。
これは大丈夫そうな気がしますよ、
いただきまーす!
パリ、ポリ、ポリ…
あっ、美味しい。
カリコリほどよい食感。
これも苦味はほとんど感じません。コレが一番美味しいかも!
③シシウドの天ぷら
天ぷら、これはさっき食べましたね。
ふんわりさっくり、青くさい風味がぱっと広がって、ちょっぴり苦い。
これがシシウドかなるほど、納得。満足。
図鑑で見ただけのシシウドを味わうことができて嬉しい限り。独特の味香りを満喫しました。
ごちそうさまです!
まとめ
シシウドは図鑑通りちゃんと苦い山菜でした。でもちゃんと調理をすれば苦味が和らぎ美味しく食べられます。しっかり茹でたり油を使ったりすることでマイルドにできるみたいですよ。
この手の植物は他にもたくさんいるみたいで、次は多摩川あたりに生えている"ハナウド"(これもセリ科)とかも食べてみたいところ!目指せコンプリート。
シシウド(猪独活)
【採取場所】山野
【採取時期】4月
セリ科シシウド属。大型の多年草。ウドに似ているが、ウドのような剛毛はなくビロード状の毛に覆われるのみ。また茎の節目が紫色。茎の断面は緑色で中実。葉は先端の葉に深い切れ込みが入る。昭和の時代のパフェに使われていた緑色のスティック"アンゼリカ"は本種の仲間の茎を砂糖漬けにしたもの。
参考にさせていただいた資料:新ヤマケイポケットガイド 山菜・木の実、野食ハンマープライス、コトバンク、キューピーマヨネーズ(天ぷらタネ)
宣伝コーナー
【おまけ料理レシピ】シシウドの天ぷら
【材料】
シシウド x食べたいだけ(苦味があるのでほどほどに)
油 xたっぷり
・タネ
小麦粉 x大さじ5
水 x大さじ5 ※冷水を使うとぼってり仕上がる。1減らして氷を入れてもよい
マヨネーズ x大さじ1
【作り方】
1.
シシウドは葉が寝ている若いものを選び、ナイフで根本から切り取る。
2.
軽く洗ったのち、混ぜ合わせたタネを絡めて180度の油で揚げる。
3.
きつね色にカラッと揚がって浮いてきたら、すくって油をきる。
4.
塩をふっていただく。
マヨやタルタルをつけて食べても美味しい。
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