ウナギとタウナギどっちどっち?な話
突然ですが問題です。どちらがウナギでどちらがタウナギでしょう??
チッチッチッチッチ…(時計の針の音)
違和感に気づいてくださいね!
・
・
・
はい。
正解はコチラ!
ウナギははっきりムナビレがあるのに対して、タウナギはヘビみたいにひょろっとした身体でヒレがありません。
また水面を気にしているのがタウナギ。空気呼吸をするため直接空気を吸うのです。
しっぽにも着目してみましょう。ウナギはヒレがあるのに対してタウナギはヘビのようにひょろっとしてます!
似たような見た目なのに、比べてみるとぜんっぜん二種のウナギ。面白いですね!
今回はそんなウナギとタウナギを比較しつつ、味も比べてみる話です
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ウナギってどんな生き物?
ウナギの話をするためにはウナギ釣りにいかなくてはねー
というわけで、やってきたのは都内のとある河川。
ウナギは「海の中で生まれ、故郷の川に戻ってくる」という不思議な生き物。あんなだだっぴろい海の中でどうやって故郷の川を見分けてるのだか?
そんなわけもあってか、川の上流というより下流、海水が交じるか?混じらないか?くらいのエリアが好きなイメージ。
さっそくチリリンと鳴る鈴。
寄せてみると…
「だれだきみはーーーーー!!」
まず釣れたのはニゴイくん。
まぁ、ウナギが釣れるのは暗くなってからなので、そんな気はしていました。
夜行性で特に餌を食べるのは日暮れから2時間程度の短い間だけなのです。それ以外は巣穴の中に引っ込んでいます。
そんなわけで、の~んびりと日暮れを待ちます。
ちなみに仕掛けはシンプルにオモリにウナギ針をゆわえ、ミミズをつけただけ。
仕掛けを遠投したあとはただただ待つのみ。向こう合わせのラクチンな釣りです。
暗くなって30分ほどでしょうか?
再びチリリンと鳴る鈴。
とれたのは今度こそウナギ。
狙い通り釣れましたよやったぜ!
さっそく持ち帰っていただきましょう。
撤収が早く楽なのもウナギ釣りの良いところ。
ぶぶぶ~~~ん(バイクで走り去る音)
タウナギってどんな生き物?
さてさて、タウナギの話もしておきます。
タウナギというのはウナギとは見た目が似ていますが全く別の生き物。
タウナギは淡水の魚で、ウナギは海水の魚(ウツボとかの親戚)。
どちらも何かしら都合が良くて同じニョロニョロした形の魚に進化したのでしょう。収斂進化というやつです。
・収斂進化
異なる系統の生物が、環境要因などで同様の選択圧に曝されることにより,似かよった形態へとそれぞれ進化を遂げるような現象。
wikipediaより引用
タウナギは田んぼを中心とした時と場合によって干上がるような環境に適用した生き物。そのため特技は空気呼吸。湿るくらいの水分があれば生きていけます。
またウナギは在来ですが、タウナギは外来種。
原産地は中国や東南アジア。あっちのほうだと黄鰻(ホンシャン)などと呼ばれ市場や冷凍ものがスーパーで売ってるくらいメジャーで身近な食材で、炒めものや麺類の具として人気の食材です。
しかしこれが日本に持ち込まれ、関西や関東の一部に定着しており、釣りでGETできます。 ※沖縄など一部には在来のタウナギも生息しています
この生き物もウナギと同じく夜行性。収斂進化というやつですね。でもちょっぴりウナギと時間帯が違い、日が落ちて二時間後くらいから活発に動き始めるお寝坊型です。
好物はウナギと同じくミミズ。収斂進化というやつなんですが、ウナギ釣りと違って完全に放置の釣りは厳しく、食いついたら巣に逃げ込まれる前に素早く抜き上げる反射神経対決。シビアではありますが釣り味はいいのでぜひお試しあれ。
しかし何で全く違うはずの生き物がここまで似るのでしょうかね?進化ってホント面白い。
どっちがウナギでどっちがタウナギでショー!
そんなわけで、タウナギとウナギがやってきたので捌いていきましょう!
目打ちをしてばっさー
腹開きにしてみました。
さて問題です。
どっちがウナギで、どっちがタウナギでしょう?
チッチッチッチッチ…(時計の針の音)
どっちもニョロニョロ系の魚の身ですが、さぁわかるでしょうか!?
・
・
・
はい!正解はコチラ。
簡単すぎました。明らかですよね。
下の赤いほうがタウナギ。タウナギは空気呼吸に適応するため酸素を維持する能力に長けており(参考資料参照)そのせいか身が赤いのです。対してウナギはエラ呼吸するため真っ白。名前や外見は似てても中身は大違い、いきものはホント面白い!
ちなみにウナギのほうはちょっと暴れられて、身が汚くなってしまいました…。冷凍処理が甘かったようです。反省。
さて、では串打ちして、
焼く前に蒸しましょうね。
蒸しあがりました。
問題です!
どちらがウナギで、どちらがタウナギでしょうか!
チッチッチッチッチ…(時計の針の音)
ちょっぴり分かりづらいですが、右がタウナギ。加熱する事で赤みがとれわかりづらくなりますね!
これは焼いたらわっかんなくなるやつなのでは…?
・
・
・
ハイ。正解いっときましょう!
ではでは、炭火でジリジリやっていきましょうか。
マンションのワンルームですが、コンロの下ならギリギリセーフ。
両面焼けたらタレを塗っていきますよ。
ひっくり返して…
じっくり焼いて…
30分ほど続けていきまして~
できあがったのが~~~
コチラ!
最終問題です!
どちらがウナギで、どちらがタウナギ?
皮目の質感はよく似ていて、焼いてしまうとほぼとんど見分けがつきません。間違えたらボッシュートですよ!!
チッチッチッチッチ…(時計の針の音)
・
・
・
はい!
正解はコチラ。
しれっと左右逆にしてみましたが、大きさでばれちゃいますね!
しかし加熱してタレをぬると特徴的な身の色がわっかんなくなってきました。初見さんならもしかすると騙せちゃうかもしれません。
タウナギとウナギを食べ比べる
さて問題は味ですよ、味!
まずは食べ慣れていないタウナギからいってみましょう。
パクリ。
はむはむ…
あぁ~
これは違うな~~~!
ぷりっ!とした食感でいわゆる焼き魚的な食味。サンマの蒲焼とかそっち系。某番組のように目隠しをして食べてもこれはわかるでしょう。
いや勿論ばっちり美味しいのですが、ウナギとは明らかに違う!
対して、ウナギもいってみましょう
ぱくり。もぐもぐ…
あぁ~~なじみあるいつもの味ですね。
ふっくらとした身質に甘い脂。脂で揚げ焼きになった皮目のさくりとした食感!
うんうん、ウナギは美味しいですね。
タウナギも美味しいですけど、焼き魚といった趣き。
とはいえ丼に盛ってサンショウをふれば殆どわからないかもしれません。
もしかすると「脂の少ないウナギだな~?」と思ってくれるヒトはいらっしゃるかも?
ごちそうさまでした!
まとめ
ウナギの食べ慣れたふわっとした食味に対して、タウナギは食感がしっかりめ。ぱっと見は似た生き物ですが、細部は全然ちがうし、開いたら赤いし、食べても全く違う食味でした。面白いですね!
ちなみに他に似てるけど全く違う生き物に、ヌタウナギというまた名前が似てる生物がいるのですが、これはそもそも魚類系ではなくって味も全く別です。ホント進化って面白い!ちなみにコイツも好物はゴカイです。似てる。
ウナギ(鰻)
【採取場所】河川
【採取時期】通年、釣りやすいのは7月~9月ごろ
ウナギ科ウナギ属。日本の河川で釣れるのはニホンウナギ。昔から東京湾などの干潟にたくさん生息しておりよく食べられた。蒲焼が名物料理。しかし開発により生息地が激減し、また大量に乱獲され、大きく数を減らしている。採取するときは都道府県指定の体長制限を確認すること。
参考にさせていただいた資料:Wikipedia、近畿大学農学部紀要 タウナギの特異的血液性状
宣伝コーナー
・どれもウナギ針で釣れます。ハリス5号くらいが丈夫で安心
・愛用のパックロッド、通勤バッグに入るコンパクトさ
・蒸すのにどうぞ
【おまけ見比べ表】タウナギとウナギの見分け方
見た目の比較
■ウナギの見た目
・胸びれ/尾びれがある
・エラで呼吸する
■タウナギの見た目
・胸びれ/尾びれがない
・水面を気にして空気を吸う
味の比較
■うなぎの味
・ふっくら
・噛まなくてもほぐれる
・脂が甘い
・いつものウナギだ~!
■タウナギの味
・ぷりぷり
・身がしっかりしている
・焼き魚的で噛みしめると味が広がる
・脂がなくてあっさり
・佃煮っぽい味。炭の香り+つくだに
※レシピはどっちも蒲焼なので省略!!
※ヌタウナギ?あいつはタコ味ですよタコ味!
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