トチの実を粉にしてだご汁を作る。うめぇ!

2023年2月16日木の実トチの実,季節【秋】


トチの実。

食べたことがない方も、名前だけは聞いたことがあるのではないでしょうか。

トチの実、アク抜き中

日本原産の木の実で、昔から食べられてきた伝統的な食材。

しかし強烈なアクを含むため、食べるためには長期間(二ヶ月!?)かけてアクぬきする工程が必要な、やっかいな品。

さて、前回に必死でアク抜きをして食べたトチの実なのですが、

前々回で食べたトチだんご

苦味が強く、正直なところ美味しいものではありませんでした。

反省点としては、実のカタマリを残したまま調理してしまい、かつそれがかったコト。

だんごに練り込んだトチの実、粒が粗い

対策として、細かく。それこそ粉末になるくらいに潰せば気にならないのではないでしょうか?

今回はトチの実を粉砕して今度こそ美味しく食べちゃう話です!

トチの実を粉にしたい

さしあたっての問題は

どうやって粉にするのか?

ということ、

粉にする道具の代表格といえば、

石臼。

石臼(写真ACより)

がまず思い当たるのですが…

いやいや、デカいし!

一般家庭に置くものではナイ!

コーヒーとかを粉にするグラインダーを使う?

いやいや目が洗いし、何より少量しかできずめんどー

あっ、

そういえばこんなものがありました。

キラーン☆フードプロセッサーの大根おろしブレード。

これで削れてくれたりしないでしょうか?

試しにやってみよう。セットオン!

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!

ガガガガガガガガガガガガ!!

まるで工事現場のような爆音…

しばらく回したのち、どれどれ…と。

見てみると、

おっ!?

やや荒いですが粉になっています。

小麦粉のようにとはいきませんが、くらいの粒にできております。

大成功!!

と言ってよいのではないでしょうか。

しかし欠点がひとつ。

カッターに隙間があるので、大きい塊が混じってしまうのです。

うーん、

大きい塊はザルで濾してしまえばいいか?

パラパラ…パラパラ…

っと、

何度かに分けてザルを通して、

ほぼほぼ均一な粉末になりました。

だいたい良いのではないでしょうか。これでいってみましょう。

トチの実を抹茶団子にする

トチの実パウダーを使い、再びトチ団子を作ってみます。

比率は変わらず、白玉粉と一対一

前回より均一化されていて練りやすいですね。

団子にもしやすい!バラけない!

整形し、茹でてみましょう。

ぐつぐつ。

色合いも良いような?

黄色くキレイに色づきました。

味付けも工夫してみましょう、

今回は抹茶を用意、

もともと苦味のある食材で誤魔化してしまおうという作戦。

フリフリッとして、

抹茶団子が完成♪

見た目も大変よろしい!

黒ミツも作ってかけてみた

もういっちょう!

濃い味をプラスするために、

黒ミツ

をかけたいと思います。

良い感じの黒ミツが売っていないので、黒糖を溶かして自作することに。

材料は水と黒糖だけ、

さくっとできあがったアツアツの黒ミツを、さきほどの抹茶団子にかけまして!

こんどこそ完成!!

トチ黒みつ抹茶だんご。

さっそく熱いうちにいただいちゃいます!

パクリ。

もっちもっち…

オォ…

こ、これは!

うまい!!

トチの風味がなじんでおり餅自体が格別にウマいです。

均一な味で、極端な苦味がありません。

その苦味も抹茶でカバーされ、まったく違和感なしときた。

極めつけは黒蜜コク!これがトチの実と本当に合うのです。

トチ餅と黒糖だけ。これでもうまいほど。

うまいうまい。

黒蜜さんにはベストパートナー賞をあげましょう!

トチの実でだご汁を作る

もう一品、

私の故郷の料理を作ってみます。

大分県では給食に出てくるメニュー

だご汁(だんご汁)

を作ってみました。

だんごというのは、餅米や小麦粉で作る薄く細長いすいとんのようなものです。

今回はそれをトチの実入りで作ってみました。

これを味噌味のスープに浮かべてトチだご汁、完成です。

結論から申し上げますと、

これもそうとうにうまいです。

ムチッとした食感に、

コッテリした味噌の濃い味。

じんわりと苦味はあるのですが、それほど違和感はありません。

汁にも味が出てるようで、普通の豚汁より何割増しか美味しい!

ほっ…とする味です。

あっ、ちなみに肉は豚と見せかけてアライグマです。我が家では一般的!!

ごちそうさまでした。

まとめ

トチの実のベストパートナーは黒蜜と味噌に決定!

しっかり粉にひいたうえで濃いめの味付けをすることで、独特な風味と苦味が活きてウマいということがわかりました。味噌田楽とかでも美味しいかもしれませんね。

二色がけでもうまかった!黒蜜は正義の味

★そんな美味しいトチの実のアク抜きのやりかたについては、第二回の記事を参照ください。

トチの実の凶悪なアクを二ヶ月かけて抜いてみた。手強かった

トチの実(栃の実)

【採取場所】公園、山林
【採取時期】9月~10月
ムクロジ科トチノキ属。トチノキの木の実。大きな実は食用になるがアクがつよく。食用にするためには、虫だし→乾燥→皮むき→流水→アクぬき、と手間のかかる処理が必要。

参考にさせていただいた資料:Wikipedia

【おまけ料理レシピ】トチだご汁

【だんご材料】
トチの実の粉末 x100g
白玉粉or小麦粉 x100g
水 x適量

【汁材料】
トン汁の具(スーパーで売ってる水煮のやつ) x1パック
豚肉(もしくは鳥肉かアライグマ肉) x小1パック
ネギ x1/2本
みりん x大さじ
本だし x適量
味噌 x適量
塩 x適量
砂糖 x適量
水 x適量
油 x適量

【作り方】
1.
アク抜き済みトチの実をフードプロセッサーもしくは、
乾燥させたのち石臼でひく。

2.
粉にしたトチの実と同量の白玉粉or小麦粉と混ぜ、水を少しづつ加えながらよく練る。
耳たぶくらいの硬さまで練る。

3.
2を楕円形に整形し、潰して平たくする。伸ばした舌のようなイメージ。

4.
沸騰した湯を用意。
3を茹でる。浮いてきたら穴あきオタマですくい、水気をきる。だんご完成。

5.
豚肉を一口大にカットし、油をひいた鍋で軽く火を通す。
ネギは一口大の小口切りにしておく。

6.
水・トン汁の具・本だし・みりんを加え、一度沸騰手前まで温める。

7.
フツフツしてきたら一度火を止め、味噌をとき、塩と砂糖で好みの味を調整。
最後にネギとだんごを加え、再度フツフツするまで温めたら完成。