ヒドリガモの”ニオイ”に徹底抗戦して鍋にする
ヒドリガモという鴨がおります
この鴨、猟師のなかでは
臭い。
という共通認識があるのは有名な話。
今回は、そんなヒドリガモがとれたので、ナントカ美味しく食べてやろうと料理してみた記録です。
ヒドリガモをとってみた
漢字では緋鳥鴨と書きます。
名前のとおり赤っ茶色の頭部と、おでこの白いワンポイントが特徴的。
「ピュゥ~!ピュゥ~!!」と口笛のような独特な声で鳴きます。
他の鴨と混じっていてもわかりやすい。
川やら、海やら
いたるところトコロで見かける、とてもポピュラーな鴨。
警戒心もそれほど高くなく、とりやすいターゲット。
初心者におすすめです(ただし臭い)
埼玉のとある川で捕獲、
エアライフルで撃ちとりました。
今回はこの個体をいただいてみます。
ヒドリガモの処理と解体【解体シーン注意】
さて羽を剥くのですが、
今回は湯剥きという手法にチャレンジ
お湯につけることで毛穴をゆるくして効率的に抜く事ができるのだそう。
というわけでドボン!
アチチ…
お湯の温度は50度、フツーに熱いです。
シカシこの温度でもナカナカ皮膚まで温度が通らない…羽の断熱効果でってすごい!
皮膚があたたまって、かつお湯がぬるくなってきたところで作業開始
ズルッ。
おぉぉ~、抜きやすい!!
少し力をかけるだけでなめらかに羽が抜けていきます。
冷えたままプチプチ抜くのに比べ、格段に抜きやすい。
あっというまにツルりんと。
羽が散らないのものいい。
めんどうなのは、産毛が残ってしまうこと。
なおかつ、湿気てしまうのでバーナーで炙りづらいことでしょうか。
せっかくなので湯剥きの感想をまとめておきます。
【湯剥きまとめ】
■メリット
・羽を抜きやすい
・羽が散らない
■デメリット
・羽が湿気って炙れない
以上、
続いて解体。
まずは内蔵を取り出し、
パーツごとにわけ、
胸肉を切り出します。
カットしてみました。
断面は鴨らしく真っ赤。
クンクン…
この時点では特に違和感なくカモらしい美味しそうな香り。
普通にうまいのでは?
さっそく料理してみます。美味しくいただけるのでしょうか。
ヒドリガモで鴨鍋を作る
オーソドックスに鴨鍋をやってみます。
まずはちょっとでもマシにするためムネ肉とモモ肉をスライスし牛乳に漬けます。
臭み取りの定番。ニオイが多少マシになるんだとか?
漬けている間にスープを作ります。
綺麗に洗ったガラやら手羽やらをフライパンで炒めて、
その上で鍋に入れて出汁をとります。
ダシができてきたら、醤油をイン。
臭み消しにネギとショウガも入れていきます。
さて、お肉が良い頃合いなので牛乳からあげてみました。
30分ほど漬けました。
見た目はそれほど変わりません、臭みは抜けてくれていることに期待します。
水分を拭き取って、ジューッとフライパンで焼きます。
アクっぽい汁が出てくるので、キッチンペーパーで拭き取っていきます。
徹底的にやっていきましょう。
ここでカケラをつまみ食い。
ぱくり。
オヤ…?
普通にアリなのでは。
強い旨味とちょっぴり牛乳の残滓、
どことなく背後に立つ鴨の気配を感じますが、それほどではありません。
これは美味しいやつなのでは?
スープにネギ・こんにゃく・豆腐を加え、
酒と砂糖で味を調整して…
最後に焼いたお肉をスープにドボン。
できました!
ヒドリ鴨鍋!
見た目も香りも悪くありません。
ちゃんと手間をかけたのです。
これは普通に美味しいやつでしょう。きっとそう。
ではでは、いただきます。
ずず…
おおお~汁うまい、
濃厚な鴨スープ。
(少し違和感がありますが…)←伏線
お肉もいってみましょう。
ぱくり。
ん!
普通に鴨肉、ウマい。
いいじゃあないですか。
もうひとつぱくり。
ん…うまい?
どこか、喉の奥…
鼻の奥??に違和感。
マズイわけではないのですが、どうにも食べ物ではない香りがします。
家事とかの合間にかぐ香り。
そう、掃除のときとかに嗅ぐ…掃除用具箱とか…
雑巾??とか
そんな香りが、鼻の奥底に残るのです。
美味しいけど沢山は食べられないかんじ。
スープも、ずっと飲んでいると、雑巾臭が少ししてくるような…ううッ。
ファーストコンタクトはうまい。
しかし、セカンドコンタクトは雑巾…(ウワー
これがヒドリガモかーーーーー!
奥の手の日本酒に頼りつつ、
なんとか一食分を完食しました。
まだいっぱい鍋に残っているのどうしよう…!?
二日目はカレーで
さて、まだ残っているヒドリガモ鍋。
こうなったら…奥の手。
偉大なる神器カレー粉@Amazon
カレー粉をドボン、
グツグツ煮込んで…味変☆
ヒドリガモカレー!
鴨カレーなんてやるのは初です。
なんかもったいないですからね。
さてお味は…?
パクリ。
おっ、うまい。
普通に変わったカレーという味。
一口目はオーケー。
雑巾臭をスパイスが上書きしてくれていますね、
二口目もオーケー。
普通に食べられる!!(感動
特にカレー味の鴨肉がうまいですね。
野性味のあるタンドリーチキンのような味わい。
野性のタンドリーチキン。
ぶじ完食。
食べきれなくなったヒドリガモ鍋はカレー味にすれば美味しく食べられる。
現場からは以上です。
ごちそうさまでした。
まとめ
ヒドリガモはがんばって処理したとしてもなお臭い。
ちょっとなら美味しいけど、沢山はキツい。つまり沢山の人のいるパーティとかで出すべきですね?(それもそれでテロなのかもしれませんが)
一人で食べるならカレー味にするのが一番です。
強い香りで吹き飛ばすのが正解っぽい。またとれたら燻製でもやってみよう。
ヒドリガモ
【採取場所】川、海、池などなど
【採取時期】11/15~2/15
カモ目カモ科マガモ属。陸ガモの一種。中型。全国的に分布し、日本で最も普通に見られるカモ類。植物食で水上から水草を食べたり、陸に上がって草地や農地で採餌を行う。
参考にさせていただいた資料:Wikipedia、狩猟読本
書籍紹介
マンガで入りやすい狩猟の世界。オススメの本です。
エアライフルで狩猟を始める方向けのガイドブック。私も読んで学びました。
本格的に狩猟を始める方向けのガイドブック。イラストや写真が豊富で非常にわかりやすい!
【おまけ料理レシピ】臭みを全力でとるヒドリガモ鍋
【材料】
ヒドリガモ x1羽
ショウガ x1片
ネギ x2本
牛乳 x200ml
酒 x200ml
水 x1リットル
塩 x適量
砂糖 x適量
しょうゆ x大さじ2
みりん x大さじ2
具(その他お好み、シンプルなほうがうまい)
・豆腐
【作り方】
1.
ヒドリガモを解体します。
抜いた内蔵のうちハツと砂肝は鍋に入れてもイケますが、それ以外はオススメしません。
胸肉を取り出し薄くスライスしておきます。
もも肉の骨抜きをしておきます。
それ以外はガラとし血合いや汚れをとっておきます。
2.
胸肉ともも肉を牛乳に漬けます。
3.
ショウガをざっくりスライスします。
ネギは白い部分を一口サイズにカット、緑のぶぶんはざく切りにしておきます。
4.
ヒドリガモのガラを炭火か、オーブンもしくはフライパン乾煎り。カリカリに焼きます。
5.
鍋に水・ショウガ・ネギの青い部分、醤油・みりん・酒、そして焼いたガラを入れ、アクをとりつつ20~30分炊きます。
6.
胸肉ともも肉を牛乳から取り出し→よく洗って→水分を拭き取り、炭火かオーブンもしくはフライパン乾煎り。カリカリに焼きます。
7.
ネギの白い部分を鍋に入れて柔らかくなるまで煮ます。
8.
塩・砂糖で味を整え、最後に焼いた肉と豆腐を入れて完成です。
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