サカタザメはサメか?エイか?食べて確かめた
とある夏、東京離島から珍食材を持ち帰ってきました。
それはサカタザメ。
それはエイの頭に、サメのボディをつけた世にも奇妙なお魚、
よく水族館の底の方にいるので、ご存じの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「エイなの?サメなの?どっちなの!まぁ形と名前的にサメなんだろうけどさ。」
…と言わせておいて、
実はエイの仲間であるというユカイなやつです。
今回はそんなサカタザメを色々と料理して食べてみた話。
サカタザメってどんなエイ?
※上記タイトルは間違っておりません。
サカタザメをGETしたのは、東京諸島は三宅島。
この島で夜釣りをしていたら釣れた魚のひとつ。
ちなみにお恥ずかしい話なのですが、釣ったのは友人のK氏とS氏、それぞれ1匹づつ。
お恥ずかしながら私は釣れず!
「リリースする。」というのでいただいてきたのです。その節はありがとう!!
釣れたサカタザメ。サイズ的には1mくらい。
お話したとおり、サメのような見た目でエイの分類である魚。海底を泳いで底生生物を食べるタイプの魚です。
頭のヒレはまぁエイらしくはありますが、
背びれとかは完全にサメのそれだしトゲもない。「分類がエイなのは、なにゆえい?」と思うのが正直なところ。
しかし裏側をみると印象が変わりまして、
このとおり、下側に口とエラがあるのです。
これはエイ類の特徴。サメは顔の横にエラがありますもんね。これにはフカく納得するしかありません。なるほど!
ちなみに、この個体はメスだったようでお腹から赤ちゃんがでてきました。
お腹の中で卵がかえり、魚の状態で産み落とす卵胎生という繁殖方法のタイプ。これもエイらしさがありますね~。面白い。
ちっちゃい頃からすでにエイ頭なんですねえ。これからずっと「なんでお前エイ類なの?」って言われながら生きるわけですか。大変だ。強く生きろよ~。
サカタザメをさばいてみる
そんな島釣りから帰宅。釣果はこんな感じ、
自分が激シブだっただけにサカタザメが強い。
まま、他はどけて(冷凍庫なりなんなり)新鮮なうちに傷みやすい軟骨魚類から先にやっていきましょうかね。
皆も私も気になるところの、先端のロレンチーニ器官(生体電気を感知して獲物を探す部位)であるところの"ふん"は固く骨のほうな質感。ダメだコレは食えない。
食べるメインはボディですね。
割ってみたところ不思議な血合いのはいった白身でした。
ちょっぴり不気味ですが、嫌なニオイはしませんし、食べていけないことはなさそうです。
サカタザメの鮫肌をどうやっつけるか?
サメを食べる上で最大のポイントは「鮫肌をどうやっつけるのか?」なのですが、今回は加熱してやわらかくする作戦でいってみましょう。
ぐつぐつ…
沸騰した湯で数十秒加熱したあと、金ダワシでこすると…
オォ。狙い通り鮫肌が落ちますね。よさそう!
ゴシゴシと、全身やってみました。
こうなるともう別の魚みたいですね。
おなか側はペリペリと薄皮がはがせました。これは楽ちん♪
ヒレはフカヒレとして食べましょう。
んん…?
こいつ分類的にはエイの仲間だしエイヒレになるのでしょうか??(紛らわしい!どっちだ!?)
サカタザメを揚げてみる
早速試食といきましょう!
尻尾のあたりのお肉ですが、中骨を抜いてブツぎりにします。
ニンニク醤油ダレを作りまして、
ここにぶちこむワケですね、エイやっと!
これを油でジューっといけば、
サカタザメの唐揚げ
が完成というわけですよ。
サメないうちにひとつ食べてみましょう。
はむ…ぎゅむぎゅむ…
あぁ~
サメでもエイでもないですねコイツ、
普段食べてるもので近いのは鳥のささ身でしょうか。タンパクでそれほど個性がない感じ。
それならば!ということで、タレを作ります。
コレを絡めて~~~
ホイ完成。
サカタザメの甘酢あんかけ&唐揚げ
それではいただきま~~~~す!!
ぎゅむ…もぐもぐ…
美味しい♪
濃いめの味付けが合いますね!
ノーマルな唐揚げも決してまずくはないです。例の謎の血合いも風味を感じません。好みの問題でしょう(濃い味好き)
サカタザメでピカタを作る
サカタザメはフツーに旨いということがわかりましたし、素材の味を活かした料理もやっておきましょうか。
ピカタを作りましょう、
つまりサカタピカタ(言いたかっただけ)というわけ。
サカタザメ肉は胴体の部分を使います。
まずは塩コショウで下味をつけ、軽く小麦粉をはたいておきます。
これをそのまま焼くとムニエルみたいな感じですが、ピカタはここに溶き卵(粉チーズ入)をからめるのですよね。
からめたら熱々のバターで焼いていきます!
こうすることでサメの味が衣に閉じ込められてウマくなるというわけ。ダジャレのためだけにやってるわけじゃあないんです。たぶん。
ひっくり返しながら両面を焼いていきます。
見た目はただの鶏ムネ肉のソレ!でも実はサメ!
…………じゃなかったエイだ(紛らわしいですね)
香ばしくてウマそうな香り!
仕上げに軽くレモン汁を絞ったら~
サカタザメのピカタ
完成です。
仕上げにも追い粉チーズをやっておきました!
こんなのマズいわけがなくてですね~
いただきま~~~~す!
パクパク。
ほうほう、だいたい鶏肉なんですが、先日食べたものよりホロホロ食感で魚らしさがありますよ。
後味にほんのりサメっぽさ(酸味のような香り)が鼻を抜けていきます。油で揚げてないせい?それとも部位が違う(胴体中央ぶぶん)からでしょうか?
最大の特徴は、肉厚なので食べごたえがすごい!
たんぱくかつ単調な味が続くので、一切れ食べたら満足感がやってきます。
白ワインも飲んじゃったりして、ちょーーーー満足。
残りは明日にしましょう。げふー
サカタザメのカレーでフィニッシュ!
ピカタを二日楽しんで次の日!
残りのサカタザメは胴体のお肉とサメエイヒレ(分類するのを諦めました)
これはカレーにしてみることにしましたよ。スープ物ですしフカヒレだとしたら相性良いでしょう。
以前に友人がこの魚でカレーをやっていたのを思い出したのですよね、アレは美味でした。
これを真似して作っていく所存。材料はこんなカンジ!
マスタードを使うカレーというのはベンガル地方の料理だと友人がいうてました。
ははあ、ベンガル!
どこかよくわかりませんが、何となく美味しそうな響きです。きっとそれは美味しいやつでしょう。
ベンダルだろうがイスカンダルだろうが、ネットで調べればレシピが出てくるのが現代社会の良いところ。
クックパッドで調べた結果、ショウガ・ニンニク・マスタードを使えばそれっぽくなるようです!
カットしたサカタザメとサメエイヒレを火にかけ、
ここにホールのマスタードを加えて、ジックリ加熱。
焦げ目がついたらショウガもいっときましょう。
弱火でじ~~~くり加熱していきます。
いい頃合いになってきたら、タマネギ・トウガラシを追加。
再び加熱。
そこに適当なスパイスとトマトを追加。カレーっぽくなってきましたね!
異国感を出したかったので、ココナッツオイルも投入!
これをじ~~~っくり煮て、
完成!
サカタザメのベンガル風カレー
以前に友人が作ってくれたものより赤いですね!
ターメリックかトマトの量の問題でしょうか。まぁ美味しいのは間違いなかろうてですよ!
いただきま~~~す!
パクリ。
オッ!これは食べたことない味。
コクが深くて、マスタードのぷちぷち感が面白い~~
肝心のサメもちゃんと旨い。
煮たら魚寄りの風味に変わりました。独特の香りが異国のレシピに溶け込んでます。うまいうまい。
ただ……………
ヒレの食感がよろしくない!
フカヒレ的なフワフワ食感を期待したんですが、食感は完全にエイヒレでジャキジャキなんですよ。
これはこれで面白いんですが、期待と違う!そうだよね、君エイの仲間なんだもんね!
ごちそうさまでした。
まとめ
サカタザメはサメではなくエイの仲間。そしてその味はサメでもエイでもなく鶏肉に似た風味で美味でした。
昔のメモを読みながら記事を書いているのですが、写真を見ていたらベンガルカレーが食べたくなりました。でもサカタザメなんて売ってないし、まぁ普通のサメで作ればいっか♪あっ、いや…この場合はエイを買うべきなのか!?
サカタザメ
【採取場所】東京諸島(主に砂地)
【採取時期】春~秋
ノコギリエイ目サカタザメ科サカタザメ属。エイのような頭にサメのボディをつけたキメラのような魚。分類的にはエイ。エラが底にあるとエイで、側面にあるとサメ。動物食で砂地の獲物を探して食べる。なみに筆者の好きな魚はこれの仲間の"シノノメサカタザメ"。デカくて格好いい魚で水族館にいるので見よう!
参考にさせていただいた資料:Wikipedia、市場魚貝類図鑑 ぼうずコンニャク
スペシャルサンクス:K氏、S氏、F氏、T氏、ありがとう!
宣伝コーナー
【おまけ料理レシピ】サカタピカタ
【材料】
サカタザメ x2きれ ※なければ別のサメでもOK、ただし新鮮なもの
塩 x適量
コショウ x適量
バター xたっぷり
・衣
タマゴ x1
粉チーズ xたっぷり
・盛り付け用の野菜
プチトマト x数個
好みの葉野菜 x適量
【作り方】
1.
サカタザメは軟骨と身をわけ、身の方を使う。
厚みが2センチ以上ある場合、半分に薄くスライスしておくとベター。
2.
サカタザメにコショウと塩をふり、小麦粉をふりかけておく。
3.
タマゴをとき、粉チーズをたっぷり加える。
4.
フライパンにバターをたっぷり落とし、溶かしておく。
5.
2を3にくぐらせ、フライパンで焼く。
弱火でじっくり焼き、焦げ目がついたらひっくり返す。
6.
表→裏→表、とひっくりかえし、十分火が通ったら完成。
7.
盛り付け用の野菜をそれっぽくカットして盛った皿に盛り付けると映える。
追い粉チーズをして、熱々をいただくべし。
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