ガマの穂をアメリカンに食べてみた

2022年3月29日野草・山菜ガマ,季節【夏】


ガマの穂が食べられるらしい。

ガマの穂、6月下旬ごろ東京

そう友人に教えていただき、

「そうなの、ほほほほーぅ?」

と所持している図鑑をパラパラめくったのですが…

さっぱり情報がない。

うーんなんで?とぐぐってみると、出てきました。

どうも主に海外で利用されていて、

アメリカだとサバイバルのエキスパートが好んで食べているとか。(いちばんガチなひとたちじゃん!)

ガマの穂、サヤの中に収まった若いもの

しかし日本にも沢山生えているのに、どうして食文化がないのでしょう。

もしかしてよっぽどマズいのか?

気になるので、実際にとって食べて検証してきました。

そもそもガマってなんだっけ?

ガマは大型の水草の一種。

水辺で巨大なネギみたいな草を見たことはないでしょうか?あれですあれ。

正確にはネギみたいな中空な葉ではなく、平ぺったく頑丈な葉をしています。

わかりやすい特徴は言わずと知れた

ガマの穂でしょう。

夏にできるホットドッグのような独特な穂を探せば一目瞭然。

この穂は二段構造になっており、

・上部が花粉を落とす雄花
・下部が花粉を受け取る雌花

というシンプルなつくり。

余談ですが、ガマは漢字で書くとで、うなぎとかの蒲焼きの語源らしい。

昔はウナギを串にさして丸焼きにしてたゆえ、見た目が似てたとのこと、なるほど確かに!

アメリカではガマを食べる?

さてこんなガマをアメリカではどう食べてるのか?

アメリカ版wikipediaのTyphaに詳しい記述がありました。

翻訳してみると、

・若い穂はトウモロコシのように食べられる。
・花粉を集めて小麦粉や増粘剤のように使用できる。
・根は粉砕してデンプンを得ることが出来る。タンパク質も豊富に含む。
・分岐したばかりの根はジャガイモのように食べられる。
・新芽は皮を剥くと生で食べられる。これはコサックアスパラガスと呼ばれる。
※アメリカ版wikipediaより引用

とのこと、

最後の一文はなんで急にロシア?という感じですが、めっちゃ食べてますねアメリカ人。

対して日本のデータでは食用にされたという記述は見つかりません。「細工ものの材料」にしたとか「花粉を薬にした」とかはあるのですが、

どうして日本の食文化にガマが登場しないのか?

マズいから?

用途が限られてるから?

これはとって食べてみるしかありませんね!

ガマを取りに行く

というわけで川へやってきましたよ。

去年から目星をつけていたポイント、

都内のとある小川にガマが群落を作っています。

水辺に群れるため、長靴かウェーダーが必要

この日に収穫できたのはこちらヒメガマ。

主なガマ種の見分け方として、雄花と雌花の間に隙間があるのがヒメガマ。無いのがガマ。これは隙間があるのでヒメガマというわけ。

ヒメガマ。指の触れてる部分がその隙間です

ちょうどガマが終わってヒメガマが出てきているみたいです。ヒメガマのほうがワンシーズン遅れてる感じ。

さっそく穂を採取していきましょう。ナイフですぱっとね、

茎はかなり硬い。丈夫なハサミを用意してくるべきでした

まだ雄花の花粉が成熟してないくらいのを狙ってGET。

立派な穂を採取できました。

さてさて味はどうなんでしょうね?

ガマを調理する

持ち帰ってきたガマがコチラ、

あっ!

左のぐねぐねしたやつはガマの根っこ。こんど話題にするのでスルーしてください。まて次回!

さて、

とってきたガマの穂はカチカチ、こんなもの食べられるのでしょうか。

トウモロコシのように食べられるとのことなので加熱してみましょう。

まずは余計な部分をカット、

続いて加熱。

トウモロコシって茹でるよね?

ということで、茹でてみます。

あと、

焼きトウモロコシってあるよね?

ということでガスコンロで焼いてもみましょう。

ぐつぐつ。

ジリジリ。

テキトーに10分くらい加熱してみました。

茹でたものがコチラ、ほんのり柔らかくなりました。いけるかも?

焼いたものがコチラ。

比べると焼いたものはパサついてますね。

上が焼いたやつで、

下が茹でたやつ。

味付けはアメリカ的にマヨネーズケチャップを用意してみました。

それでは実食いってみましょう。

茹でた雄花を食べてみる

まずは雄花から。

柔らかくなったとはいえ、

生のニンジン

みたいな触感ですが、本当に食べられるんでしょうかね?

マヨをつけて、

バリッ!

ボリッ!

これは…

無味。

食感は硬いですが個性として片付けられるレベル。ただ硬い軸は食べられないので歯で削ぎ落とす必要があります。トウモロコシの芯みたいなノリ。

しかし残念ながら味は殆どありません…!

鼻を研ぎ澄ますとほんのりトウモロコシの香りがするような?しないような?

つけたソースを味わう感じ。

甘くもなく、

苦くもなく。

イヤなにおいもない。

味も香りもないトウモロコシ。

というのが正直な感想。

雌花はダメそう?

続いて茹でた雌花いってみましょう。

こっちはよりカチカチの食感。

ムリなんじゃないかな~~~と思いつつパクリ。

ぎゅむ。

あぁ~~~これは

綿棒をかじったときの感覚だ。

えっと、綿棒かじったことあるの?というのは横に置いておいて、硬い軸の周りにペースト?がついてるというスタイルが綿棒のまさにそれ。綿ぶぶんも別に美味いわけでもなくただただ無味。

これはナシです。

食べ物ではないですね。

焼いた雌花も食べてみる

最後に焼いたものも食べてみます。

雌花はダメなので雄花だけ。

ボリボリ…。

なるほど茹でたものと同じ味ですね。

特に味に優位性は見受けられないのですが、サバイバルな水がない状況において『焼くだけでも食べられる』というのはエラいのかも。

パサパサしますが、もともと硬いし、別段香ばしさもないし、同様に無味。

ここでお好み焼きソースをもってきました。

醤油味のソースのほうが食べ慣れた味になるのでは?と思いまして。

結論としてはぼちぼち成功。

バリボリとした食べ慣れない食感ではありますが、ソース次第で美味しくいただけるようです。

この感じからすると、いちど茹でたものにタレをからめて炭火でじっくり焼けば料理っぽくなるのではないでしょうか。

そんなわけで、ガマの穂を食用にするのはいちおうアリ。

もうちょいって感じで惜しいのCですけどねっ!

ごちそうさまでした。

まとめ

ガマの穂のうち雄花は加熱をすると食べることができました。しかし同時にウマくもマズくもない無味な食べ物であることもわかってしまいました。

もしかすると日本でガマを食用にしなかったのは「他にもっと美味しい食べ物が豊富にあった」からなのかもしれません。

次回も続いてガマの話。薬にもなる黄色いアレ、お楽しみにっ!

ガマの花粉を食べてみる

ガマ(蒲)

【採取場所】水辺、泥地で流れ穏やかな場所に多い
【採取時期】5月下旬~6月下旬
ガマ科ガマ属の多年草。水底に根をはり葉を水上に出す抽水植物と呼ばれる種類の草。世界各地の温暖な湿地に分布する。初夏にホットドッグ型の穂をつける。秋に穂から飛ぶ綿毛は見事なもの。日本では古事記にも登場するくらい古くから親しまれてきた(因幡の白兎など)。

参考にさせていただいた資料:Wikipedia(米)、サバイバル節約術

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【おまけ料理レシピ】ガマの焼きトウモロコシ風

【材料】
・ガマの穂(上部の雄花が可食)
・塩
・炭火(なければガス火で)

■たれ
・醤油 x大さじ2
・砂糖 x大さじ1
・みりん x大さじ2

【作り方】
1.
水辺でガマの穂を採取してくる。
サヤの中に収まってるくらいがちょうどよい。
雌花は食べられないので、上半分の雄花だけハサミで切って採取する。

2.
ガマの穂を少し塩をした湯で5~10分ほど茹でる。

3.
たれの材料をよく混ぜ、茹で上がったものに塗る。

4.
3を炭火で焼く、時々ひっくり返しつつタレを塗る。
全体にほんのり焦げ目をついたら完成。