ヒシの実は食べられる忍者の武器。じゃあ食べてみよう!
ヒシの実という食べ物をご存知でしょうか。
知らない?
じゃあマキビシは?
そうです!
忍者が逃げるときにバラ巻くあれですね。
そのマキビシ、元々はヒシという植物の種子に由来しています。
忍者はこれを武器として使うだけでなく、非常食として活用したという話もあるそうです。
…どんな味がするんだろう?
食べてみたい!
調べてみると、台湾などではメジャーな食べ物で一般的にレストランなどで食べられそうです。
うーん遠いなぁ…と思っていると、このヒシは意外と身近な植物で、水辺にいけば簡単に見つけられるんだとか!
とりにいってきました。
ヒシのみをとりにいく
秋口にやってきたのは都内のとある水辺、
春に水辺でガサガサをしにいったとき、ヒシっぽいカラが落ちていた場所なのです。
さっそく発見!
こいつがヒシです。
日本在来の水生植物で、水辺をぷかぷかしてる浮草的な植物なのだそう。
それにしてもビッシリと繁茂しておられる。
まずは観察から、
フムフム、浮き袋のついた葉っぱで水に浮いている様子。
持ち上げてみると…
なんだこれ!
浮草は根っこで地面につながっているようです。まるで船のアンカーのよう。
裏返してみたところ、葉でも根でもない塊がくっついていました。
これがヒシの実でしょう。
一株から三つ四つほど、ニョキッとはえてます。
ひっぱるとぷちっと外れました。
おぉ~その名の通り菱形(ヒシガタ)なんですね~!
これをいくらか採取してみました。
さっそく帰って食べてみましょう。
本当にマキビシに使えるの?
とってきたヒシの実がこちら、
よくよく見てみると、二種類の形があるようです。
二本トゲと、三本トゲ。
品種の差なのでしょうか、三本のはマキビシに使うのにちょうどよさそう。
トゲの先端を接写してみました。
矢じりのようにとがった凶悪なカエシがついてますよ。これは刺さったら絶対痛いヤツ!
しかしこれが武器になるのか?
気になったので発泡スチロールでテストしてみることに。
ぐっさー!
うん!
あっさり突き刺さりますね。
裸足で踏んだら痛いぞ…!
しかし、Amazonダンボールで試してみると、トゲのほうが負けてしまいました。
万が一忍者にヒシを撒かれたとしても、靴を履いてれば気にせず追いかけてよさそうです。でも裸足なら諦めた方が良いですよ!
ヒシの実を食べてみる
2,3日ほど窓際に干していると、乾燥して茶色っぽくなっていました。
よりマキビシっぽくなりましたね!
全く食べもの感がないのですが、食べてみたいと思います。
とりあえず茹でてみよう。
ぐつぐつ。
10分くらい、長めに茹でてみました。
で、これどうやって食べるんだ?
ペンチやらハサミでこねくりまわいていると、同席くださっていた友人が発見!
実の左右にハサミを入れると、袋とじのように開いて可食部がでてくるようです。
可食部がこちら、中身も菱形。質感はドングリっぽい。
さっそく食べてみよう!
ぱくり。
カリホク…
おぉ~面白い、クリとイモの中間みたいな食感、
ほのかにクリのような風味がありますがほとんど無味。
食感はものによって異なるようです。
乾燥度合いの差?でしょうか、しっかり乾燥させたものはイモよりもナッツ寄り。
なるほどなるほど。
・余談
味見後、残ったものを干していたのですが、
事故発生!!
干してた皿がひっくり返って、部屋にマキビシされてしまいました。
ひゃああああ。
ヒシを料理してみる
さて、剥いただけのヒシの実は味気がないので、料理に使ってみることにします。
たまには中華料理でいっときましょう。
作るのは私の好物の鶏肉のカシューナッツ炒め!
…でもこの場合は、
鶏肉のヒシの実炒めという事になりますね!
まずはヒシの実を茹でて剥くところから。
手のひらいっぱいのヒシの実を茹で、カラを剥くところまでやりました。
凄まじい達成感。
もう終わりでいいですか?
だめですよねハイ。
そんなわけで、材料はコチラ。
まずは、フライパンで鶏肉に火を通しまして、
鶏肉に火が通ったら一旦どけて、
ヒシの実を油炒めにします。
そこにタマネギをイン。
ざっくり火が通ったら他の具材も入れちゃって、ガンガン加熱!
味付けは中華味と、オイスターソースとかケチャップとかとか。
中華料理っぽく鍋を振りながら加熱して、
鶏肉のヒシの実炒め、できあがりました。
さっそく頂いてみましょう~
中華だしレンゲでね~
パクリ。
おっ!
味は当然といいますか、私の好きな味(笑)
ヒシの実自体はコリコリ食感、カシューナッツとだいたい同じ。ちょうどいいアクセント♪
うまうまと完食、
ごちそうさまでした!
ちなみに、残ったものを翌日食べたのですが、
ヒシの実が柔らかくなり味が染みてこれはこれでウマかったことをご報告いたします。
まとめ
ヒシの実は忍者の武器になるだけではなく、茹でて食べると美味しいという事がわかりました!
剥くのがすっごく大変なのが欠点ですが、乾燥させて長期保存ができるのは他にないメリットでしょう。それこそ潜入工作の間でも食べられますね、現代の忍者であるところのサバイバリストの皆さんいかがですか?
・余談の余談
マキビシされたのは除去しきったはずなのですが、忘れた頃に椅子の下から出てきました。危機いっぱつ!みなさまもどうぞお気をつけください。
ヒシの実(菱の実)
【採取場所】池・湖などの止水
【採取時期】9月~11月
ミソハギ科(ヒシ科)ヒシ属の一年草。池や沼に繁茂する浮葉植物。縄文時代から食べられてきた。株が枯れると実は水底に沈み、翌春に水底で芽吹き、水面に向かって根が伸びる。この根はヒシが流されないようアンカーの役目を果たす。またトゲは実を水底に固定する役割を持つとだけでなく、水鳥にくっついて生息地を広げる役目も兼ねる。
参考にさせていただいた資料:Wikipedia、ヤマケイポケットガイド 山菜・木の実
【おまけ料理レシピ】鶏肉のヒシナッツ炒め
【材料】
鶏肉 xモモ肉1枚
タマネギ x半分
パプリカ x1/2個
ピーマン x2~3個
ヒシ x手のひらいっぱい
ニンニク みじんorチューブ x大さじ1
塩 x適量
食用油 x適量
・調味料(好みで調整してください)
中華だし(鶏ガラだし) x大さじ1
ケチャップ x大さじ1
オイスターソース x大さじ1
みりん x大さじ1
【作り方】
1.
ヒシを茹で、皮を剥く。
一週間以上乾燥させたものは、20分ゆで10分蒸らすとちょうどいい。
とりたてのものは10分ほど茹でるだけでよい。
茹ですぎるとイモっぽくなるので注意。
茹でたらハサミで縁をカットし、剥く。
2.
鶏肉・タマネギ・パプリカ・ピーマンをサイコロ状に切りそろえる。
同じくらいの大きさに整えるのがコツ。
調味料を混ぜておく。
3.
フライパンに油を落とし、ニンニクの香りをだす。
そこに鶏肉を入れ火を通しておく。
4.
鶏肉を皿にあけ、フライパンにヒシの実を落とし軽く炒める。
タマネギ→パプリカ→ピーマン の順に火を通す。
5.
鶏肉を戻し、各調味料を加え、塩で味を整える。
6.
強火で汁気を飛ばして完成。
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