クヌギのドングリ粉100%なパンを焼いてみた

2023年9月20日木の実クヌギ,季節【秋】


前回のお話!

クヌギのドングリはすごくおっきくて食べごたえがあるんだけど、

クヌギの実

アクが強くてクソマズいんですよね…

アク抜きの確認

でもトチの実的にアク抜きしたら食べられるのでは?

クヌギのアク抜き

…とやってみたら、すごいヌルヌルになったりしちゃって…

アク抜きクヌギ

と色々あったんですけど、なんとかアク抜きクヌギを作ったのが前回の話。

クヌギのドングリを食べる。アク抜きに挑戦

今回はその続き、粉にしてパンにしますよ。クヌギ100%パンをね。果たして本当にパンの形になったのか…!?

アクぬきクヌギを乾燥させる

アク抜きしたクヌギ。このままフープロにかけ粉砕しても良いのですが、水分があるままだとなんか違うものができそうです。

アク抜きクヌギを乾燥させる

いちど乾燥させて粉にしたいよね?

というわけで食品乾燥機にかけます。

アク抜きクヌギを乾燥させる

ちなみにこの企画のために買いました。
(家に物が増えるのつらい…だ、誰か!助けて!)

下から温風がでてきて、最大70度まで設定できるという装置。

というフレコミでしたが実際に測ってみると、内部温度は15度~20度低く、50度くらい。知ってた。まぁ良いでしょう。

アク抜きクヌギを乾燥させる

これに丸一晩かけてみたものがコチラ、

ずいぶんちっこくなりました。

アク抜きクヌギを乾燥させる

しっかりカラカラ。役目は果たしてくれたようです。

コレなら粉になりそう!

アク抜きクヌギを乾燥させる

アクぬきクヌギを粉にする

これをにするべく、フープロにかけていきましょう。

クヌギを粉にする

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!

すごい音…

クヌギを粉にする

1分くらいかけてみました。

が、粗い。

まぁ、フープロですからね、やむなし。

続きはミルミキサーにバトンタッチ。

クヌギを粉にする

ぎゅいいいいいいいいいいいいいいいいいいん!!

と、

なんとなく粉になりました。

大きい粒がまだまだ混じっているので、ふるいにかけます。

クヌギを粉にする

フリフリ。

なんか茶色いですが(アク?樹液?)、ちゃんと穀物っぽい香りがするものができました。

これが念願のクヌギドングリ100%粉

クヌギを粉にする

舐めてみると無味で粉っぽく、ほんのりとした苦味。

そういえばペーハー12超アルカリの灰汁に漬けていましたが、

クヌギのアク抜き

ちゃんとアルカリは抜けたのでしょうか?

念のために、水でといてリスマス氏でペーハーを測ってみましょう。

アク抜きの確認リトマス紙

すると、おみごと中性。

48時間の流水ですっかり抜けてしまったようです。抜けるんですねえ!

アク抜きの確認リトマス紙

そうそう、今回も縄文クラスタの縄文ドキドキ会@jomondokicomさんに来ていただいております!

二人だと作業がはかどる!ありがとう!

持つべきものはクヌギを一緒に食べてくれる縄文人の友人!

クヌギの粉をふるう

さて、大量のクヌギを削るとこと1時間あまり、

途中でグラインダーがオーバーヒートしかけたりしたんですが…

クヌギを粉にする

冷凍庫にぶちこんで強制冷却!!

などとピンチを乗り切りつつ、ひいてはふるう協力プレイを繰り返しまして…

クヌギを粉にする

150グラムほどのクヌギのドングリ粉がとれました。

クヌギの粉

がんばった!がんばりましたよ!私たち!!

はたして本当にパンになるのでしょうか???不安しかないですがやっていきます。

クヌギ粉をパンにする

パン作りにとりかかるとしましょう。

せっかくなのでパンの材料はすべて、縄文時代でも手に入るものとしました。

クヌギのパンを作る

■クヌギのドングリ縄文パンの材料
クヌギのドングリ粉 x150g
卵 x1個
塩 x少々
ドライイースト x適量
はちみつ x大さじ1
ラード x大さじ1
水 x120ml
※全粒粉で作るパンのレシピを参考にしました

砂糖ではなく蜂蜜をチョイスしたところと、バターではなく動物脂なのがこだわりポイントですね。

クヌギのパンに入れたラード

ベーキングパウダーはどうなんだって?まぁ酵母菌はそこらにいたはずなのでセーフ!セーフッ!!

クヌギのパンを作る

菓子作りに明るい縄文ドキドキ会@jomondokicomさんのおかげでサクサク進むパンづくり。

やはり持つべきものはパン作りが得意な縄文人の友人!

各材料を少量づつ加えつつ、こねて…

クヌギのパンを作る

クヌギ100%にしては、なんとなくパン種っぽいものができました。

これを温風発生装置(乾燥機)にぶちこんで、発酵させます。その間は1時間ほどマリカーでもやって時間をつぶしますよ。

クヌギのパンのタネ

1時間経過後がこちら。

は、発酵…完了????

ほんとうに!?

クヌギのパンのタネ

ほんのりふくらんだような?

なんか割れてるし。

発酵してますよね??発酵???

クヌギのドングリパン?を焼いてみる

火が通らないのではないかと心配で、小さめに整形をしてみました。

クヌギのパンのタネ

卵液を塗り、表面に粗いクヌギ粉をまぶしてオシャレにいってみます。

やはり持つべきものはクヌギをオシャレに調理できる縄文人の友人!

クヌギのパンのタネ

オーブンで30分!

チーン♪っとね。

焼いたクヌギのパン

クヌギのドングリパン?を食べてみる

焼き上がりました。

チョコレート味みたいな色。ココアもチョコも入れていないにもネ。

焼いたクヌギのパン

見た目はパン…というよりクッキー?

おかしい。製法は完全にパンのはずだが…

焼いたクヌギのパン

味見をしてみましょう。

ひょいパクリ。

クヌギのパンを食べる

もぐもぐ…

んんん!

イケル!いけますよこれ。

なんとなくパンっぽい風味がしますし、食感もカリカリしててよい。

なんてったって苦味がない、最高!!

…というわけで盛り付けてみました。

焼いたクヌギのパン

せっかくですし、縄文時代でも手に入りそうな(個人の感想です)、スモークサーモン・アボカド・チーズを添えてみましたよ。

縄文ドキドキ会さんから土器発酵させたワインの差し入れ。縄文らしいドキドキアイテム!

やはり持つべきものは土器でワインを発行させる縄文人の友人!(※市販品です)

クヌギのパンを食べる

ここからはただただ美味しいだけ!

魚介くさいスモークサーモン、これがクセのあるクヌギパンと相性いいのですよ。

クヌギのパンを食べる

クリームチーズやアボカドとも相性がよくって、バリバリいけますよ。脂っけがあるものと相性がよさげ。

クヌギのパンを食べる

パンというよりクッキー的な食味ですが、クヌギパンは大いにアリですね。

思っていたより、いけまして、あっという間に完食。

クヌギのパンを食べる

ごちそうさまでしたっ。

まとめ

トチの実ふうにアク抜きをしたクヌギのドングリ粉でパンを焼いてみました。空気が入らずパンというよりクッキーな感じでしたが、味は良く美味しく食べられました。しっかりアクが抜けて渋みはほぼなくって、正解の味。

まぁパンの形にしなくてもアクさえ抜けばナッツとして食べられるわけで、今後、サバイバルな状況に陥り、いよいよ食べるものがなくなってきたときクヌギを食べることにしましょう。生存能力がちょっとあがりましたよやったね。

クヌギ(椚)

【採取場所】森林公園
【採取時期】秋、9~10月
ブナ科コナラ属。日本の代表的なドングリの木。落葉広葉樹でいわゆるドングリの木。その中でも最大級の大きさの実をつけるのが本種。山林に自生するだけでなく、公園によく植えられている。樹液がたくさん出すため、昆虫にも人気。

参考にさせていただいた資料:Wikipedia
スペシャルサンクス:縄文ドキドキ会@jomondokicom

宣伝コーナー

使用したミルミキサーはこちら!普段はスパイスをひいています

韓国にはドングリデンプンで料理を作る文化があるとのこと、興味ある方はお試しを!

ドングリには沢山種類ありまして、図鑑で見比べると楽しいですよ!

【おまけ料理レシピ】ドングリ粉で作るドングリクッキー

【材料】
ドングリ粉 x150g ※アクぬきしなくてよいマテバシイがオススメ
卵 x1個
塩 x少々
ドライイースト x適量
はちみつ x大さじ2
ラード x大さじ1
水 x120

【作り方】
1.
ドングリ粉はふるって、塩を混ぜておく。

2.
お湯を60度ほどに温め、ハチミツをよく溶かす。
そこにドライイーストを加えて、少し時間をおく。

3.
ドングリ粉に2とラードを少量づつ加えつつ、よくねる。

4.
塊になったら、布巾をかけ、1時間発酵させる。
しなくてもやる。

5.
小さめのサイズに整形をし、クッキングシートに並べる。
卵液をぬる。

6.
200度のオーブンで、20分ほど焼いたら完成。