ホウバで味噌を焼いてみたら、最強の調理道具だった件
ホウバ(朴葉)はでっかい葉っぱで、昔から調理に使われている葉っぱ。
これに味噌を乗せて焼く朴葉みそと呼ばれる料理がありまして、
最初は
「その辺の葉っぱで料理して何か良いことあるの?」
と思っていたのですが…
やってみると思ったより丈夫だし味もよく、
もう一品、お肉を包み焼きにしてみたら、これもすっごく良い香りで…!
「これ、最強の調理道具かもしれない…。」
などと、ホウバをただの葉っぱだと思っていた私が手のひらを返すまでの話です。
ホウバってどんな葉?
朴の木(ほうのき)と呼ばれる木、それの葉っぱがホウバ(朴葉)と呼ばれます。
とにかくでかい葉っぱで、丈夫だから…
と、昔っから食べ物を包むのに使われてきました。インドでいうバナナの葉っぱみたいなポジション。
それ以外にも漢方として樹皮(厚朴)、種子(和厚朴実)と扱われたり、材木を日本刀の鞘に用いたり、花をお酒に漬けたり…などなど、様々に利用できる有用な植物。
それでいて強い植物で、山裾にいけば必ずといっていいほど生えています。
もちろん東京都の山野にもたくさん。この手軽さも良いのでしょう。
ちなみに、見分け方は…
そのでっかい葉っぱをみたら間違いなくわかるのですが…!
まず、葉と葉の間隔を広げてをつける姿が印象的なので、これで大体わかります。
またつるりとして光沢のある楕円形の葉っぱで、中央にしっかり葉脈があるのもポイント。
とにかくインパクトある植物で、一度覚えたらまず忘れないはずですよ!
ホウバのとりかた
落葉樹であるため、その大きな葉っぱも冬には落ちてしまいます。
なもんで、遠慮なく採取しちゃいましょう。
背の低い木でもでかい葉っぱをつけるので、低木から採取するのが楽ちん、
枝をたぐって、葉っぱの付け根をひっぱると簡単にとれます。
崩れやすいので、持ち帰るときはクリアファイルとかを用意するのがオススメですよ。
朴葉焼きは"美味しんぼ"で知りました
言わずとしれたグルメ漫画、"美味しんぼ"。その作中に朴葉焼きが出てくるのですよね。
飛騨地方の郷土料理として"挑戦精神"という回にでてくるのですが、
「味噌と漬物と白米。日本人は何て貧しいんだ!こんなものが死ぬほど旨いんだからな~~!!」
と言わしめた一品。
(思い返してみたら、このセリフ、ホウバのこと褒めてないですね?)
しかし"ただの葉っぱ"で焼くだけの味噌にこれほど言わせるんですよ。
何かあるはず…!
ホウバで味噌を焼いてみた
というわけで取ってきました。
ほほぅ!これがホオノキの葉っぱ!
乾燥させる必要があるとのこと、
よく水で洗ったらキッチンペーパーで挟んで、本を重しに、数日放置。乾かします。
明日には焼いてやろう!
…と思っていたのですが、ほうちしすぎて
1ヶ月くらい経ってしまいました。とほほう…。
上のつるりとした葉っぱがオモテ側で、
下がウラ側、裏のほうは産毛が生えてマットな質感ですね~
どっちに味噌を乗せるのが正解なんだ…??
と焼く方法に悩んだものの、栗田さん(おいしんぼのひと)はオモテに乗せてたように見えるので、そうします。
炭火を起こしたら、そこに洗ったホウバを乗せ、漬物を混ぜた味噌をオン。
これを、じ~~~っくり炙っていくわけですね、
炭火台はキャプテンスタッグの奴。家でもお外でも使えて便利!
ホウバの味噌焼きの味は?
20~30分焼いたら、表面がフツフツしてきました。
そろそろかな?
ホウバの味噌焼き
食べてみましょう。
味噌の焼ける香ばしい香り。
スペシャルなものではなく、そこらにある葉っぱ。そのお味は?
お作法にのっとって、ご飯にオン!
いただきま~~~~す!
はむはむ…
おぉ、美味しい。
明らかに普通の味噌よりコクがあって旨い。
ただ味噌と漬物を混ぜただけではこの味にはならないでしょう。
これはアリです。
食べ終えると、味噌の底が焦げているのがわかりました。
そういえば燃えちゃわないのかな?
と思って裏側をくるり。
えぇ…!?
…無傷?
こげてすらいません。
ホウバ、思っていたより丈夫なようです。
昔から包み焼きに使われてきたというのも納得です。こいつはただの葉っぱじゃあないぞ…!
ホウバで肉を焼いてみる
せっかくなのでホウバの味をダイレクトに味わってみたい!
とゆーわけで、包み焼きに挑戦。
本当は焚き火にほうりこむくらいまでやってみたかったんですが、焚き火がないので、
ホウバでサンドして
→アルミホイルでくるんで
→オーブンで焼いてみる
…という手法でやりましょう。家庭スタイル。
お肉の味付けは岩塩とコショウのみ。
上からも葉っぱをかぶせます。
ホウバもりもり。
その上でアルミホイル。乾燥防止ですね。
これをオーブン。
200度で、20分位いってみましょうか、
…20分後。
できあがったのが、コチラ!
あけてみました。
ホッホーーーッ!美味しそうですね。
クンクン。何でしょうこの香り?
不思議な、スパイスのような香りがします。これがホウバ?
それではいただきまーーす!
もぐ。
ん!
いつもの豚肉よりも旨いですよこれ。
豚くささが普段よりも穏やか。
それに葉っぱの香りがしっかり移ってますよ。木の実みたいな?香ばしい香りです。
ホウバはスパイスとしてちゃんと機能しているよう。
加えて、脂がほどよく落ちてスッキリ。葉っぱが吸ってくれるんでしょう。
肉がくっつくこともないし…
アルミホイルとキッチンペーパーの良いとこどりですよね。
最強の調理道具なのではなかろうか…!
ごちそーさまでしたっ。
まとめ
ホウバは焼くときの器として機能するだけでなく、スパイスのような香り付けをしつつ、包み焼きもできる。アルミホイルとキッチンペーパーの上位互換のような葉っぱでした。
これは最強の調理道具と言っても過言ではないのではなかろうか(ただの葉っぱなんて言ってごめんよ)。今後も山で見付けたら持ち帰って積極的に活用していきたいところです。
ホウノキ(朴の木)
【採取場所】山野
【採取時期】秋
モクレン科モクレン属。山野に自生する落葉広葉樹。とても大きな葉っぱが特徴で、葉には芳香や殺菌作用があり、昔っから食べ物を包んだり敷いて焼くのに使われてきた。特に有名なのが飛騨高山の郷土料理。樹皮は薬に、花はリキュールに、材木も使われるなど利用に事欠かなない樹木。
参考にさせていただいた資料:Wikipedia
宣伝コーナー
【おまけ料理レシピ】ほうばみそ
【材料】
味噌(だし入り) x適量
好みの漬物 x適量
砂糖 x好みで
炭火 xたっぷり
ホウバ x1枚
【作り方】
1.
ホウバをつむ、もしくは拾ってくる。
9~11月くらいがいい。
2.
炭火を起こす。
メタル賽銭箱だと、炭3~4つの弱火で十分。
水や脂をくべなければ煙は出ませんが、火事に気をつけて。
3.
味噌と漬物を1対1で混ぜる。
好みで砂糖を加える。
4.
ホウバの上に、2をひき、炭火であぶる。
5.
ふつふつと煮立ってきたら完成。
アツアツの白米を用意して下さいね。
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